薬剤師として働いていると定期的に新しい人に会う機会を作ることが重要であると感じる。なぜなら、薬局という小さな箱の中で同じ仲間と過ごしているだけでは、交友関係が広がらないからである。特に二十代は、どのような人と接して自己変容を起こしていくのか勝負の年代である。この時期に人脈を構築しておくことで、それ以降の人生が充実したものになるであろう。
では、いかにして新しい人と出会うのか。私に関して言えば、それは大学時代、「食」に関わる勉強会に参加することであった。具体的には、その会では農薬や種子の問題について扱っていた。他の参加者が皆社会人であり、年上の方しかいなかったので興味を持って話しかけてくださり、プライベートの食事に誘っていただくこともあった。そのような会に参加することで、別の勉強会を紹介してくださり、参加し交友関係が広がっていった。
現代では、社会人になると、自宅と職場を往復し、休日は疲れた心身を癒すことに費やしている人が多いのではないだろうか。様々な人の考えを聞くことで見識が深まり、多角的な視点で物事を眺めることが出来る。それ以上に大きいのは、自分は一人ではないのだと再認識できることである。
孤独になるように仕向けられているこの社会を、年齢も職種も違う人々が手を取り助け合うことで、生き抜いていけると信じてやまない。